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第10話 ~インフルエンザ予防接種~

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玄関の扉が閉まる音が聞こえたので、
かのこは部屋を出てダイニングに行くと
すでに2人は学校に行ったようで
加奈が椅子に座ってテレビを見ていた。

かのこの姿を見ると
朝の挨拶を交わすと同時に立ち上がり

ガスのスイッチを入れて
味噌汁を温めなおしながら
朝食を食卓に並べはじめた。

2人で朝食をとっていると
テレビでは今日も
インフルエンザについての報道が流れはじめた。

テレビの画面がコマーシャルに変わるとすぐに
加奈は思い出したように話をし始めた。

「近所の美世ちゃんのお母さんと昨日話をしたんだけど
美世ちゃんのお母さんは
インフルエンザのワクチンが危険かもしれないから
美世ちゃんには注射をしないことに決めているんだって。

でもね~…
ママは受けた方がいいと思っているよ。」

「どうして注射した方がいいの?」

素朴に疑問として感じたので
かのこは不思議そうに質問してみた。

「だって、もしもインフルエンザにかかって
かのこが苦しい思いをしたらたいへんじゃない!

もちろんママだって嫌だよ。
ワクチンを注射したから大丈夫だとはいえないけど

ワクチンを打った方が
インフルエンザにかかりにくいみたいだし
かかっても治るのも早いってテレビで言っているし

ママが子どもの時から
ワクチンを打つのは常識だって思ってきたから~…

今はワクチンが足りないから
すぐにかのこもママも注射するのは無理だけど
今度もし大丈夫になってら注射してもらおうね!」

目をらんらんと輝かせながら話をする加奈の顔を見ながら
やっぱり不思議そうな顔をしてかのこは話を聞いていた。。

そして、少し強い口調で
訴えるようにしてかのこは話し始めた。

「かのこはインフルエンザにかかっていないよ。

かのこは病気になんてならないように
毎日ちゃんとご飯を食べて夜は早く寝て
外から帰ってきたらうがいをしているから
きっと大丈夫だよ!

だから注射なんて必要ないよ。

それにお金だってたくさんかかるんでしょ!?
なんだかもったいないよ~。

美世ちゃんだって注射しないし
美世ちゃんのお母さんだって
かのこと同じ考えなんでしょ?」

加奈はすぐに答えた。

「確かに美世ちゃんのお母さんは
受けなくても大丈夫だって思っているけど

世の中の多くの人は
受けた方がいいって思っているんだよ。

ジージもバーバも心配してたじゃない。
早くワクチンの予防接種が受けられるといいねって…。」

かのこは自分が話したいと感じたことが
頭の中にたくさん湧きあがってくるのを感じた。

普段はそれほど話をしないかのこだが
このときはまるで学者が持論を述べるように
真剣な顔で話しをしはじめた。

「どうしてまだインフルエンザにかかっていないのに
そんなにインフルエンザのことを怖いと思うの?

怖いと思ってインフルエンザにかかったことを考えるから
インフルエンザのウィルスを呼んじゃって
インフルエンザにかかりやすくなるんじゃないの!?

この前のテレビで言ってたけど
ワクチンはまだまだ危険が
いっぱいあるかもしれないんだって~。

ママも一緒に見ていたからわかっているじゃない。

注射は痛いから嫌だよ。
それに…私の体に針で穴をあけるんだもの。
そしてウィルスを私の体の中に入れるんでしょ?

私はウィルスなんか
体の中にわざわざ傷つけて入れたくないもの。

美世ちゃんのお母さんは
まだ小さくて上手に話ができない
美世ちゃんの気持ちを感じて

美世ちゃんを一生懸命守っているから
体に穴をあけて傷つけたり
わざわざきれいな体にウィルスを入れたり
痛くて嫌な思いをさせたりしないようにするために

注射をしないって決めたんだと思うよ。

自分が注射したいって思っているんだったら
注射すればいいと思うし

注射が本当に効いて
インフルエンザにかからなくて済んだ人も
いるかもしれないから
必要な人もいるのかもしれないけど

でも美世ちゃんのように
自分でお話してちゃんと思っていることを
うまく言えないような人や
なんだかよくわからない人は

パパやママとかの大人が頼りなんだもの。

それに私のように思っていることをお話ししても
子どもだからって話をちゃんと聞いてもらえないで

やりたくないことを無理やりやらされたら
とっても悲しいことなのよ。

だってかのこの体はかのこのものなんだもの!

もちろんかのこもインフルエンザにかかるのは嫌だよ。
注射しないでインフルエンザにかかって
だから注射しておけばいいのにって言われるのも嫌だけど

‘今’は元気なんだよ。
‘今’はインフルエンザにかかっていないんだよ!

別にみんなが言っているからって
一緒にやったほうがいいというわけではないことだって
世の中にはたくさんあるんでしょ。

この前学校で藤丸先生が話してくれたけど
日本のみんなが戦争をしていた頃

戦争で人を殺したり殺されたりしていたことが
いけないことだ、たいへんなことだって
思わなくなっちゃった人がたくさんいたんだって…。

私はインフルエンザの注射は必要ないと思っているのよ!

テレビの人たちやジージやバーバとか
みんなの思っていることは抜きにして
ママはどう思っているの?

かのこの今お話ししたような
注射したくないっていう
そんなかのこの気持ちはどう考えるの!?」

いつもはほんわかしていて
自分の気持ちはストレートに言葉にして表現するけれど
あまり長々と話すことのないかのこが

真剣なまなざしをして
たくさんの言葉を使って話す様子と
奥深く感じる話の内容とに
加奈はとても驚いていた。

二人はしばらく沈黙したままでいたが
テレビからは繰り返すように
インフルエンザに関するニュースがまた流れはじめた。


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テーマ : 癒し・ヒーリング
ジャンル : 心と身体

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プロフィール

くるみ あんず

Author:くるみ あんず
アセンションに向けて、前向きにスピリチュアルライフを歩んでいる主人公の長女「かのこ」とその母「加奈」を中心にした物語で、自作小説です。

作者のくるみ あんずは、実際にも4人の子どもを育てている父親です。我が子4人の中で、クリスタルチルドレンの色合いの濃い次女をモデルにしたのが主人公の「かのこ」です。

作者のもう1つのニックネームは‘タエヌ’と申します。ブログやホームページの運営も行っています。
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